外国法人の労働契約書作成ガイド — ビザ・賃金・労働法の実務ポイント
外国法人の労働契約書は、一般的な韓国企業の書式をそのまま流用すると、ビザ審査の段階で即座に差し戻されます。 対象となるのは、D-8、D-9、E-7などの就労・投資ビザを保有する外国人を雇用する場合、または外国人投資企業が韓国人・外国人スタッフを採用するケースです。 契約書の必須記載事項、ビザと連動する条項、賃金・解雇規定、労働庁への届出まで、実務でつまずきやすいポイントを整理しました。
外国法人の労働契約書作成ガイドの出発点
一般的な労働契約書との違いは何か
一見シンプルに見えますが、外国法人の契約書はビザの在留資格と直接連動します。 労働契約書一枚が、ビザの発給・延長・変更審査における中核的な立証資料となります。 実務では、契約書のたった一行の文言が原因でE-7ビザが不許可になるケースが頻発しています。
適用法令と基本原則
まず確認すべきは、勤労基準法第17条の書面明示義務と、外国人勤労者の雇用等に関する法律です。 外国人であっても韓国国内で労働を提供する以上、国内労働法が同一に適用されます。 国籍やビザの種類に関係なく、最低賃金、週休手当、退職金、四大保険加入の義務がそのまま発生します。
注意: 外国人であることを理由に賃金や休憩時間に差を設けた場合、差別禁止違反かつ勤労基準法違反となります。
必須記載事項 — 漏れると契約書自体が無効になる項目
法令上の書面明示義務項目
勤労基準法第17条では、以下の項目を必ず書面で交付するよう定めています。 一つでも欠落すれば、使用者に過料が課されます。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 賃金 | 構成項目・計算方法・支給方法 | 通貨・口座を明示 |
| 労働時間 | 所定労働時間、休憩時間 | 1日8時間が原則 |
| 休日 | 週休日、祝日適用の有無 | 5人以上の事業場 |
| 年次有給休暇 | 発生基準と取得方法 | 入社日基準 |
| 就業場所 | 実際の勤務地住所 | 本社・支店の区分 |
| 業務内容 | 担当職務を具体的に記載 | E-7審査の核心 |
外国人契約に追加で盛り込むべき条項
書類のボリュームがあっても、以下の条項が抜けるとビザ審査で直ちに引っかかります。
- 在留資格(ビザ種別)の明示
- ビザ満了時の自動終了または更新条件
- 外国語訳本の交付有無
- 出入国・在留関連の協力義務
- 四大保険・所得税源泉徴収の案内
ビザ別に異なる労働契約書のポイント — E-7、D-8、D-9
E-7 特定活動ビザ
E-7は職務適合性の審査が非常に厳格です。 実際の審査では、契約書の「業務内容」欄が真っ先にチェックされます。 職務が学歴・職歴と一致していない場合、即座に不許可となります。
実務のヒント: 「マーケティング担当」のような抽象的な記載よりも、「東南アジア市場のB2B営業および現地パートナー管理」のように具体的に書いてこそ、通過率が上がります。
所得要件の基準は毎年ハイコリアの告示によって変動するため、本年度の適用基準は相談を通じてご確認ください。
D-8 企業投資ビザ
D-8保有者が自社法人の代表取締役または役員として登記されている場合、一般的な労働契約書ではなく委任契約または役員報酬契約として作成すべきケースがあります。 労働者性をどのように設定するかによって、四大保険の加入要否や税務処理が変わってきます。
D-9 貿易経営ビザとその他
D-9、F-2、F-5、F-6など、在留資格によって契約書条項の優先順位が異なります。 特にF系は活動制限がほとんどありませんが、D系では契約書がそのまま活動範囲を規定します。
賃金・手当条項で最もつまずきやすいポイント
賃金構成と通貨表記
ポイントはここです。 賃金はウォン建てで表記し、外貨支給条件がある場合は為替レート基準日を必ず明示しなければなりません。 「USD基準で換算」といった表現のみで基準日が抜けていると、賃金未払い紛争の火種になります。
| 区分 | 推奨表記 | よくあるミス |
|---|---|---|
| 基本給 | KRW月額定額 | 外貨のみ記載 |
| 換算基準 | 毎月1日の売買基準率 | 基準日の漏れ |
| 賞与 | 支給条件・時期を明示 | 「会社裁量」と曖昧 |
| 諸手当 | 項目ごとに分離記載 | 基本給に含めて処理 |
最低賃金と包括賃金制
包括賃金制で作成する場合でも、時間外・深夜・休日労働の時間算定が可能でなければなりません。 計算根拠なく「月OO万ウォンに全ての手当を含む」とだけ書くと、労働庁への申告時にそのままでは認められません。 最近この点に関する行政解釈が強化されているため、自社の状況に応じた適用可否は専門家の確認が必要です。
正確な費用と手続きは、専門家相談を通じてご確認ください。 今すぐ無料相談のお申し込みはこちら → 02-363-2251 / カカオトーク: alexkorea
解雇・契約終了条項 — 紛争が最も起きやすい領域
試用期間と解雇予告
試用期間中であっても3か月を超えると、正式な従業員と同一の解雇手続きが適用されます。 「試用期間中は自由に解約可能」と記載しても、法的には効力がありません。 解雇予告30日または30日分の通常賃金支給義務は、外国人にもそのまま適用されます。
ビザ満了と自動終了
見落としがちなのが、ビザが満了したら契約は自動的に終了するのかという問題です。 条項を入れていなければ、ビザが切れても会社が一方的に契約を終了させることはできません。 逆に、会社がビザ延長に協力せず満了に至った場合は、不当解雇と認定される可能性があります。
注意: 「ビザ満了時に自動終了」という条項だけでは不十分で、会社の協力義務と手続きを併記してこそ紛争を抑えられます。

労働庁への届出と四大保険
外国人労働者の雇用届出
E-9、H-2などの非専門就業ビザは雇用センターへの届出義務があり、E-7・D-8などは一定の要件によって雇用労働部への届出内容が変わります。 届出期限を逃すと過料だけでなく、今後の外国人採用そのものに制約が生じる可能性があります。
四大保険と税金
外国人も原則として国民年金・健康保険・雇用保険・労災保険に加入します。 社会保障に関する二国間協定により一部免除されることがありますが、免除には申請と立証が伴わなければ適用されません。 処理期間は管轄公団ごとに異なるため、最速の処理ルートを見つけて進行いたします。
外国語訳本と署名手続き
訳本交付の義務
法令上は韓国語版のみでも効力はありますが、実務では英文・中文訳本を併せて交付します。 訳本と韓国語版の内容が食い違う場合、「労働者に有利な解釈」原則が適用されます。 この部分が弱いと、紛争時に会社側はほぼ敗訴します。
署名・押印・電子契約
電子署名も法的に有効ですが、ビザ申請時に出入国当局から原本または認証された写しを求められる場合があります。 署名日と労働開始日にズレがあると、入国前の契約締結と見なされ追加の立証を求められることもあります。
よくある質問 (FAQ)
Q1. 外国人スタッフと英文契約書のみを作成しても問題ありませんか? A. 効力は認められますが、労働庁・出入国への提出時に韓国語版または公証された訳本を求められます。韓・英併記版をおすすめします。
Q2. D-8ビザの代表取締役も労働契約書を作成すべきですか? A. 労働者性が認められるかどうかで分かれます。役員報酬契約として進めるケースが多く、四大保険や税務処理も異なります。
Q3. 外国人には異なる最低賃金を適用できますか? A. できません。国籍・在留資格に関係なく、同一の最低賃金が適用されます。
Q4. ビザ満了で契約が終了する場合、退職金はどうなりますか? A. 勤続1年以上であれば、ビザ満了が事由でも退職金が発生します。出国前に清算しなければ紛争の原因になります。
Q5. 母国でリモートワークする外国人とは、どのような契約が適切ですか? A. 労働契約ではなく、業務委託・請負契約が適切な場合が多いです。ただし実態が労働であれば、形式に関わらず労働法が適用されます。
Q6. 契約書違反があった場合、会社側にはどのような責任が生じますか? A. 書面明示義務違反は項目ごとに過料が課され、賃金関連の違反は刑事処罰の対象となる可能性があります。
費用は事案ごとに異なるため、無料相談時に正確にご案内いたします。
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外国法人の労働契約書は、単なる書式作成ではなくビザ・税務・労働法が複雑に絡み合う総合文書です。 契約書のたった一行が原因でビザが不許可になったり、労働庁への申告から数百万ウォンの和解金が発生したりするケースが、実務では繰り返し起きています。 ビジョン行政士事務所は、外国人投資企業の設立から人事・労務、ビザ連動契約書のレビューまで、最初から最後まで伴走いたします。
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