外国人による一人法人設立の可否と要件 — 実務基準の整理
外国人も韓国で一人法人を設立することができます。ただし、ビザの種類、資本金の出所、事業所の実体によって、設立の可否とその後の運営可能性が分かれます。外国人が単独株主・単独取締役として一人法人を設立する際に、実際につまずくポイントと通過する条件を整理します。
外国人による一人法人、本当に可能か
法的には可能です
商法上、1人株主・1人取締役の形態による法人設立は外国人にも認められています。株式会社・有限会社のいずれも1人での設立が許容されており、国籍制限もありません。重要なのは「会社設立そのもの」ではなく、「設立後に外国人が韓国で運営するためのビザ・資本要件」にあります。
ただし、ビザがなければ運営は止まります
法人を設立したからといって、外国人が自動的に韓国で働けるわけではありません。短期訪問(B-2)や無ビザ状態でも登記は可能ですが、代表者として実際に経営活動を行うには、D-8(企業投資)またはD-9(貿易経営)などの在留資格が別途必要です。多くの場合、この段階でつまずきます。
一人法人設立の実際の要件
資本金 — 金額より出所
株式会社の資本金は100ウォンからでも可能です。ただし、外国人単独法人がD-8ビザまで視野に入れる場合、外国人投資促進法上の1億ウォン以上の送金が事実上の基準ラインとなります。実際の審査では、資本金の金額よりも、その資金がどこから来たのか、本人の資金であるかをまず確認します。通帳に残高があっても、資金の流れの説明が弱ければすぐに行き詰まります。
事業所 — バーチャルオフィスの限界
シェアオフィスやバーチャルオフィスの住所での登記自体は可能です。ただし、D-8ビザ申請の段階で出入国管理事務所の実地調査が入るケースが多く、この部分が弱いとビザが下りません。事務所は小さくても、実体が見える形でなければなりません。
代表者の人的要件
一人法人では、外国人本人が代表取締役を務めるのが一般的です。韓国国内の居所や送達先住所が必要なため、本国にいる状態ですべての手続きを完了させたい場合は、委任構造をあらかじめ組み立てておく必要があります。
注意: 一人法人は監査役選任義務が免除されますが、代表取締役本人がすべての責任を直接負う構造であるため、会計・税務処理のミスがすぐに表面化します。
ビザ別に分かれる一人法人の可否
| 在留資格 | 一人法人設立 | 代表者活動 | 主な条件 |
|---|---|---|---|
| F-2 / F-5 / F-6 | 可能 | 可能 | 資本金基準なし |
| D-8(企業投資) | 可能 | 可能 | 外国人投資申告 + 資本金送金 |
| D-9(貿易経営) | 可能 | 可能 | 韓国内の事業実績・拠点 |
| D-10(求職) | 登記は可能 | 営利活動制限 | ビザ変更後に活動 |
| 短期訪問(B-2) | 登記は可能 | 不可 | 在留中の経営活動禁止 |
| 無ビザ入国 | 登記は可能 | 不可 | ビザ変更手続き別途 |
ここに違いが出ます。登記が可能であることと活動が可能であることは別の問題です。本人の現在のビザで一人法人としての活動が可能かは事例ごとに異なる判断となるため、事前検討が先に必要です。
手続き — 登記からビザまでの順序
設立段階
- 会社名・本店住所・事業目的の確定
- 定款の作成および公証
- 株金の払込(外国人投資の場合は送金証明の保管)
- 法人設立登記(管轄登記所)
- 事業者登録(管轄税務署)
外国人投資申告とビザの段階
- 外国人投資申告(KOTRAまたは外国為替銀行)
- 資本金送金および外国人投資企業登録
- D-8査証申請(在外公館または国内変更)
- 外国人登録および通信・銀行口座開設
実務のヒント: 外国人投資申告は送金前に行う必要があります。先に送金してしまうと外国人投資の認定がこじれ、その結果D-8自体が下りなくなります。
一人法人がよくつまずくポイント
資金出所の説明不足
書類が揃っていても、資金の流れの説明が弱ければすぐに行き詰まります。本国での給与、事業売却代金、家族からの贈与など、どこから来たのかを書類でつなぐ作業が肝心です。送金一回で済む話ではありません。
事業計画書の抽象性
一人法人は代表者一人の力量で会社が回る構造であるため、審査官は「この人が本当にこの事業を遂行できるのか」を見ます。長く書くよりも、本人の経歴と事業モデルがどう結びつくのかを一行で説明できる事業計画のほうが、むしろ通過しやすい傾向があります。
事務所の実体不足
賃貸借契約書だけがあって、机・看板・什器がない場合は実地調査でそのまま引っかかります。最近の類似事例では、バーチャルオフィスのみでD-8を申請して補完要求を受けたケースが増えています。本人の事業形態に合った事務所形態は相談時にご案内します。
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一人法人 vs 複数人法人 — 実務上の違い
| 区分 | 一人法人 | 複数人法人(2人以上) |
|---|---|---|
| 設立難易度 | 単純 | 株主間契約が別途必要 |
| 意思決定スピード | 速い | 合意手続きが必要 |
| 責任構造 | 代表が単独で負担 | 分散可能 |
| D-8審査の強度 | 代表1人に集中 | 分散 |
| 持分紛争の可能性 | なし | あり |
| 後続投資の誘致 | 持分譲渡手続き | 比較的簡単 |
むしろ一人法人は設立が単純な分、ビザ審査では代表本人に検証が集中する構造です。この部分が弱いと、登記後でもビザの段階で止まります。
税務・会計面で見落とされがちな部分
仮払金と代表者借入
一人法人で最もよくあるミスは、会社の通帳から代表者個人の通帳へ自由に資金を移してしまうことです。これは仮払金として処理され、認定利息が発生し、後日のビザ更新時に会社の財務健全性評価で弱点となって表れます。
社会保険(4大保険)と代表者の給与
一人法人の代表は本人の給与を自ら設定する必要があります。低く設定しすぎるとD-8更新時に本人の生計能力の立証が不十分に見え、高く設定しすぎると社会保険負担が重くなります。適正水準は売上規模とビザ更新時期に合わせて調整しなければなりません。
廃業・清算リスク
一人法人は代表の死亡・長期出国時に会社がそのまま停止します。後継運営者の指定や臨時取締役の構造をあらかじめ組んでおかなければ、清算も難しく、ビザも一緒に崩れます。
実務のヒント: 外国人の一人法人は、設立よりも運営段階の税務処理でビザ更新の不適格事由が出るケースのほうが多くあります。
FAQ
Q1. 海外にいる状態で一人法人の設立は可能ですか? 可能です。委任状の公証・アポスティーユを通じて、韓国内の代理人が登記まで進めることができます。ただし、本人がD-8を取得するには、結局のところ韓国に入国する必要がある段階が来ます。
Q2. 資本金1億ウォンが必ずないと一人法人は設立できませんか? 法人設立自体は100ウォンでも可能です。1億ウォン基準は、D-8(企業投資)ビザを取得するための外国人投資申告の最低ラインです。ビザを取得せず会社だけを設立するのであれば、資本金は自由に決められます。
Q3. バーチャルオフィスの住所で一人法人の登記はできますか? 登記はできます。ただし、D-8も同時に視野に入れている場合は、実地調査への備えが弱く、後日補完要求を受けやすくなります。本人の事業形態に合った事務所選定は相談時にご案内します。
Q4. 一人法人は監査役を置かなくてよいのですか? 資本金10億ウォン未満の小規模会社は監査役選任が義務ではありません(商法第409条第4項)。一人法人のほとんどがこれに該当します。
Q5. 韓国人の共同代表を置けばビザ審査が通りやすくなりますか? 事例によって分かれます。韓国人共同代表が事業の実体を補強するケースもありますが、外国人投資持分比率が下がり、外国人投資企業認定が揺らぐケースもあります。持分構造の設計段階で本人の案件を検討することが先決です。
Q6. 設立からビザ申請完了までどのくらいかかりますか? 法人設立は通常1〜2週間、外国人投資申告とD-8査証はさらに4〜8週間ほどかかります。処理期間は出入国管理事務所ごとに異なり、最も早いところを探して進めて参ります。
参考法令および公式出典
法令・告示は改正される可能性があるため、申請時点を基準に管轄機関での確認が必要です。
専門家への相談が必要ですか?
外国人による一人法人は、登記そのものよりも、資本金の出所、事務所の実体、ビザへの接続構造で結果が分かれます。本人のケースでどこが弱点なのかを先に見極める必要があります。通過の可否よりまず、本人の条件がどのビザトラックに合うのかを整理することが先決です。
ビジョン行政書士事務所(VISION Administrative Office)
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