D-8ビザからF-5永住権への変更 — 要件と手続きの総まとめ
D-8ビザからF-5永住権へ至る道は一本ではなく三つに分かれており、どのルートを選ぶかによって準備期間が数年単位で変わってきます。
対象となるのは、韓国国内に外国人投資企業を設立してD-8の在留資格を維持している投資家の方、そしてD-8からF-2居住資格へ先に移行した方です。
以下では、三つのルートの違い、共通してハードルとなる所得・基本素養の要件、申請書類と手続き、そして実際の審査で明暗が分かれるポイントまで解説します。
D-8からF-5永住権へ — 三つのルート
永住資格は出入国管理法第10条の3および同法施行令別表1の3に、号ごとに分けて規定されています。
D-8保持者が実務で使う通路は、大きく分けて三つです。
投資家トラック — 投資金と雇用でストレートに進む道
外国人投資促進法に基づき、法令が定める金額以上を投資し、一定人数以上の韓国国民を雇用している外国人投資家に開かれたルートです。
在留期間の要件が比較的短く、最も早い部類に入ります。
問題はここから始まります。
投資金の基準と雇用人数の基準は告示や指針によって調整されてきており、自社の投資申告額がそのまま認められるかどうかは、別途の判断対象となります。
F-2経由トラック — 居住資格を先に確保する道
D-8からF-2居住資格へ変更したうえで、一定期間以上、韓国国内に継続して在留しながら永住要件を満たしていく方式です。
投資規模が投資家トラックの基準に届かない場合、実務では最もよく選ばれます。
ポイント制トラック — 学歴・所得・年齢で点数を積む道
居住(F-2)ポイント制の要件を満たしてF-2を取得し、その後に永住へ移行する方式です。
評価項目と配点表は法務部の告示によって調整されるため、自分の点数が本年度基準で何点になるのかは、最新の配点表との照合が必要です。
| ルート | 主な条件 | 備考 |
|---|---|---|
| 投資家トラック | 法令上の投資金額以上 + 国民雇用人数の充足 | 在留期間要件が短め |
| F-2経由トラック | F-2取得後の継続在留期間を充足 | 最も一般的なルート |
| ポイント制トラック | 学歴・所得・年齢・韓国語能力の点数を充足 | 配点表の変動を要確認 |
投資家トラックで実際につまずくポイント
投資金は「金額」より先に「維持」が見られます
投資申告と送金までは、ほとんどの場合スムーズに通ります。
実際の審査で見られるのは、その資本金が永住申請の時点まで事業に残り、回っているかどうかです。
設立直後に資本金が代表者個人の口座へ流出していたり、貸付金の形で処理されていたりすると、そこで一気にこじれます。
雇用人数は数ではなく四大保険で証明されます
名簿上の従業員数を満たしていても、国民年金・健康保険の資格取得履歴が短かったり途切れていたりすると、認定範囲から外れます。
たいていはこの段階で引っかかります。
注意: 雇用人数の算定基準日と維持期間は、審査指針によって変わります。近年この部分の運用が調整された事例もあるため、自社の人員が要件に入るかどうかは個別の確認が必要です。
F-2を経由するルートの時間計算
在留期間の算定は思った以上に厄介です
D-8で過ごした期間が、そのまま永住要件の期間に上乗せされる仕組みではありません。
どの資格で、いつから、どれだけ途切れずに滞在していたかで判断が分かれます。
出国が多かった方は、まず「継続在留」が途切れていないかを確認する必要があります。
F-2の段階で所得資料を先に作っておく必要があります
F-2の期間中に代表者本人の所得が計上されていないと、永住申請の段階で生計維持要件が弱くなります。
法人の売上は良好なのに、代表者の給与申告がないために行き詰まる事例は、実務でよく出てきます。
実務のヒント: F-2への変更時点から代表者の給与所得または事業所得の申告を整えておけば、2〜3年後の永住申請で所得の立証がはるかに強固になります。
共通要件 — 素行、生計維持能力、基本素養
三つのルートいずれにおいても、以下の要件は共通して審査されます。
| 要件 | 確認内容 | 立証資料 |
|---|---|---|
| 素行善良 | 国内外の犯罪経歴、出入国管理法違反歴 | 犯罪経歴証明書、違反内訳 |
| 生計維持能力 | 本人・世帯の所得および資産 | 所得金額証明、在職・事業の証明、残高証明 |
| 基本素養 | 社会統合プログラムの修了または代替要件の充足 | 修了証、評価合格資料 |
| 身元保証 | 保証人要件の充足有無 | 身元保証書 |
生計維持の基準は、前年度の1人当たり国民総所得(GNI)に連動して毎年あらためて告示されます。
昨年は基準ラインを超えていても本年度基準では際どくなるケースがあるため、申請年度の基準確認が先決です。
基本素養については社会統合プログラムの修了が最も確実な方法ですが、レベル判定評価から修了までには時間がかかります。
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ご自身がどのトラックに該当するのか、現時点で何が欠けているのか、そこから確認してみてください。
申請手続きと書類
手続きは5つのステップに整理できます
| ステップ | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 1 | トラックの判定および要件診断 | 在留期間・投資金・雇用の確認 |
| 2 | 基本素養要件の充足 | 社会統合プログラムなど |
| 3 | 書類準備および所得立証資料の整理 | 不備があれば補完要求 |
| 4 | ハイコリアで訪問予約のうえ申請 | 管轄の出入国・外国人庁 |
| 5 | 審査および結果通知 | 補完要求があれば期間が延長 |
書類は点数より「つながり」が先です
- 統合申請書、パスポート、外国人登録証
- 外国人投資企業登録証明書、法人登記事項全部証明書
- 事業者登録証、直近の財務諸表および付加価値税課税標準証明
- 従業員の四大保険加入者名簿および資格取得履歴
- 代表者の所得金額証明、納税証明書
- 社会統合プログラム修了証または代替の立証資料
- 犯罪経歴証明書(本国)およびアポスティーユ・領事確認
- 身元保証書、在留地の立証書類
書類の点数が多くても、投資金の流れ・雇用の維持・代表者の所得が一つのストーリーとしてつながっていなければ、補完要求が繰り返されます。
差がつくのはここです。
管轄庁によって追加の書類が求められる場合があるため、申請前に管轄機関への確認が必要です。

実務でよく行き詰まる5つのケース
- 資本金が設立直後に流出し、投資の実体が弱くなっているケース
- 従業員はいるが四大保険の取得期間が短く、雇用人数から外れてしまうケース
- 法人の売上はあるのに代表者個人の所得申告がなく、生計維持要件が弱いケース
- 頻繁な出国により継続在留の要件が途切れているケース
- 過料・出入国管理法違反の履歴が素行要件で表面化するケース
最近の類似事例では、雇用人数の要件は満たしていたものの、資格取得日の基準がずれて1名が算定から外れ、申請時期を組み直すことになったケースがありました。
こうした判断は、書類を実際に開いてみて初めて分かれる部分です。
注意: 永住資格を取得した後でも、長期間の国外滞在があると再入国許可や資格管理の問題が生じることがあります。永住は国籍の取得ではなく、帰化とは手続きがまったく異なります。
永住権取得後に管理すべきこと
永住証には有効期間があり、期間内に再交付を受ける必要があります。
期間を過ぎると過料の対象となり、その後の国籍申請の段階で素行要件にそのまま残ります。
外国人投資企業の登録を維持しているなら、投資金の変動、株式の譲渡、代表者の変更があった際には、産業通商資源部所管の外国人投資申告の変更手続きも併せて対応する必要があります。
法人側の整理がずれていると、後の家族招聘や国籍申請の場面であらためて表面化します。
よくある質問
Q1. D-8で5年滞在すれば、すぐにF-5を申請できますか?
D-8の在留期間だけで永住要件が自動的に満たされるわけではありません。
投資金と雇用の要件を備えた投資家トラックなのか、F-2を経由するルートなのかによって、求められる在留期間そのものが変わります。
ご自身の在留履歴を並べたうえで、どのトラックが最も早いかをまず判定する必要があります。
Q2. 社会統合プログラムは必ず修了しなければなりませんか?
基本素養要件を満たす方法は修了だけではありませんが、実務では最も確実な方法です。
代替要件の認定範囲は指針によって調整されるため、申請年度の基準を確認する必要があります。
Q3. 採用した従業員が退職すると、雇用要件は崩れますか?
算定基準日と維持期間が問題になります。
退職の時点と新規採用の時点の間に空白があると、人数の算定から外れる可能性があります。
Q4. 会社が赤字だと永住申請は難しいですか?
赤字であること自体が、ただちに不許可の理由になるわけではありません。
投資金が事業に実際に使われているか、代表者本人の生計維持能力が証明できるかが先に問われます。
Q5. F-5への変更にかかる費用はいくらですか?
費用は事例ごとに異なるため、無料相談の際に正確にご案内します。
公的な部分は、政府告示の手数料 + 事務処理費で構成されます。
Q6. 永住権を取得したら会社を整理してもよいですか?
投資家トラックで取得した場合、投資実体を維持しているかどうかが、その後の管理段階で問題になることがあります。
整理する計画があるなら、時期と方法を事前に検討しておく必要があります。
専門家への相談をお考えですか?
D-8からF-5へ向かうルートの判定は、書類リストを受け取って終わる作業ではなく、ご自身の在留履歴・投資金の流れ・雇用記録を一緒に開いて、タイミングを見極める作業です。
一人で進めるのが難しいのは、まさにこの部分です。
要件が一つずれただけで、申請時期をまるごと先送りしなければならなくなるからです。
基本素養の要件と所得資料は準備に1〜2年かかるため、計画の段階で相談を受けたほうが時間を節約できます。
ビジョン行政士事務所のサービス案内
- D-8からF-5永住権への変更に関するトラック判定および要件診断
- F-2経由ルートの設計およびタイミング管理
- 投資金の流れ・雇用要件の整備に関する助言
- 申請書類の作成および管轄の出入国・外国人庁への申請代行
- 外国人投資企業の登録変更および法人の事後管理
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法令および審査指針は改正される可能性があるため、申請時点の基準は管轄機関への確認が必要です。
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