外国人連絡事務所の設立方法と許可される活動、実務で最も詰まりやすいポイント
連絡事務所とは、外国本社が韓国国内で営業活動を行わない範囲で市場調査・連絡・情報収集を目的に設置する非営業拠点です。
収益を生む取引や契約締結は一切禁止されており、外国為替取引法に基づく届出を経て固有番号を取得して運営します。
設立手続き、許可活動と禁止活動の境界線、よくつまずく書類や事後申告義務まで、実務の流れに沿って整理しました。
連絡事務所とは何か、なぜ選ばれるのか
連絡事務所は、外国法人が韓国国内に置く営業を行わない形態の国内事業場です。
法人設立ではなく外国本社の非営業支店に近く、独立した韓国法人格は持ちません。
支店・法人との違い
混同されやすいのが、支店と連絡事務所の境界です。
支店は営業活動が可能で、法人税の申告義務が伴います。
一方、連絡事務所は営業自体が不可能で、本社資金のみで運営され、韓国国内で収益を発生させません。
| 区分 | 連絡事務所 | 外国企業支店 | 外国人投資法人 |
|---|---|---|---|
| 営業活動 | 不可 | 可能 | 可能 |
| 法人格 | なし | なし(本社の一部) | 韓国独立法人 |
| 届出根拠 | 外国為替取引法 | 外国為替取引法 | 外国人投資促進法 |
| 税務申告 | 源泉徴収のみ | 法人税申告 | 法人税申告 |
どんな会社が連絡事務所を選ぶのか
本格的な韓国進出の前に、まず市場を見たいという本社が最も多いケースです。
最初から法人を設立すると清算コストが大きくなるため、1〜2年の市場調査段階では連絡事務所を置く事例がよく見られます。
特に、メーカー本社による韓国バイヤー対応、本社広告・宣伝サポート、情報収集が主な目的となります。
連絡事務所で許可される活動と禁止される活動の境界
ポイントは一点です。韓国国内で収益が発生する行為はすべて禁止されます。
許可される非営業活動
- 本社製品・サービスの市場調査
- 本社に代わる情報収集および報告
- 本社と韓国取引先間の連絡・通訳サポート
- 本社の広告・宣伝資料の配布
- 本社からの出張者支援、会議のアレンジ
- 韓国取引先のクレームを本社へ取り次ぐこと
よく引っかかる禁止活動
実務で最ももつれやすいのが、まさにこの境界です。
- 韓国国内での直接の契約締結
- 韓国国内での物品販売・仲介・斡旋
- 本社製品の韓国国内での売上発生
- 韓国取引先への見積書・税金計算書の発行
- 手数料・コミッションの受領
表向きは市場調査に見えても、実際に取引を成立させる段階まで踏み込めば営業活動とみなされます。
ここが弱いと、事後点検で支店転換または過料につながる可能性があります。
注意: 連絡事務所の名義で韓国取引先にインボイスを発行したり入金を受けたりした瞬間に、営業活動とみなされ外国為替取引法違反に問われる余地が生じます。
連絡事務所の設立手続きを一目で把握する
設立は、外国本社の書類を整えて韓国の外国為替銀行に届出を行い、税務署で固有番号証を受領するという流れです。
法人設立とは異なり、登記手続きはありません。
段階別の手続き
| 段階 | 内容 | 処理機関 |
|---|---|---|
| 1 | 外国本社の決議書・登記簿等の書類準備 | 本社所在国 |
| 2 | アポスティーユまたは領事認証 | 本社所在国 |
| 3 | 外国為替取引法に基づく設置届出 | 外国為替銀行 |
| 4 | 固有番号証の申請 | 管轄税務署 |
| 5 | オフィスの賃貸・銀行口座の開設 | 韓国 |
| 6 | 駐在員ビザ(D-7等)の申請 | 出入国・外国人庁 |
届出根拠は外国為替取引法第18条および外国為替取引規程に明記されています。
詳細な外国為替届出の様式は外国為替銀行で受け取る必要があり、銀行ごとに要求書類のディテールが微妙に異なります。
本社が準備すべき書類
- 本社の登記簿謄本または事業者証明
- 本社の定款
- 韓国事務所設置決議書(取締役会または株主総会)
- 代表者選任に関する書類
- 本社の財務諸表
本社の書類は現地で公証を受けた後、アポスティーユまたは韓国領事の認証を経ます。
アポスティーユ条約の加盟国でない場合は領事認証となるため、本社所在国によって手続きが分かれます。
実務のヒント: 本社決議書に「韓国連絡事務所を設置し、営業活動は行わない」という文言が抜けると、届出段階で補正要請が頻発します。
よく詰まる書類とチェックポイント
設立自体はシンプルに見えても、実務では書類の文面一行が原因で届出が差し戻されるケースが少なくありません。
本社書類の翻訳と公証
本社書類が英文でなければ韓国語訳が必要となり、訳文の正確性に対する本社確認または翻訳公証が伴います。
特に中国・日本の本社では、会社形態の名称訳が不自然だと銀行から再度の補正要請が入ります。
本社からの送金フローの説明
連絡事務所は韓国国内で収益がないため、運営費は本社からの送金で賄います。
本社送金が賃金・賃料以外の名目で入金されると外国為替取引法上、別の届出対象になり得るため、フローの説明が弱いとすぐにこじれます。
オフィス賃貸借契約書の名義
賃借人の名義は、通常、外国本社または韓国代表者個人の名義に分かれます。
固有番号証の申請時に賃貸借契約書の名義が本社名と異なると、税務署から追加の疎明要請が付きます。
実務のヒント: オフィス契約の前に、本社名の表記(英文フルネーム、韓国語表記)を先に確定させてください。契約書の名義が一文字でも違えば、補正にまた時間が取られます。
設立手続きは単純に見えても、本社決議書の文言、送金名目、賃貸借名義の一行で命運が分かれます。
ビジョン行政士事務所は、外国本社の書類レビューから外国為替銀行への届出、固有番号証、駐在員ビザまで一連の流れで対応します。
📞 今すぐ無料相談のお申込み → 02-363-2251 / メール 5000meter@gmail.com
費用は案件ごとに異なるため、無料相談の際に正確にご案内します。
連絡事務所の運営と事後義務
設立で終わりではありません。運営段階で見落とすと、過料や支店転換の圧力が入ってくる項目があります。
毎年の届出・報告義務
- 外国為替銀行への運営状況報告
- 本社からの送金内訳の整理
- 税務署への源泉徴収申告(従業員の給与)
連絡事務所は法人税の申告対象ではありませんが、従業員の賃金に対する源泉徴収はそのまま発生します。
国税庁の案内に従い、毎月・半期ごとの源泉税申告スケジュールを管理する必要があります。
営業活動と疑われる瞬間
- 韓国取引先へのインボイス発行
- 韓国国内での製品保管・在庫運用
- 本社に代わって契約書に署名すること
- 韓国人従業員が韓国の顧客と価格交渉を行うこと
これらの実態が積み重なると、事後検査で支店転換の通知が届く可能性があります。
支店になれば法人税の申告義務が生じるため、最初から活動範囲を明確に設定しておくのが得策です。
閉鎖手続き
連絡事務所を閉鎖する際も、外国為替銀行への閉鎖届出と税務署での事業者(固有番号)廃業届出が伴います。
残っている本社送金額の整理、従業員の退職処理、賃貸借の終了が同時並行で動きます。
駐在員ビザ(D-7)との関わり
連絡事務所の代表者や駐在員は、通常D-7(駐在員)ビザで入国します。
本社での1年以上の在職要件、職位、韓国国内での活動範囲が審査ポイントとなります。
よく引っかかるところ
- 本社での在職期間が1年未満
- 本社での職責が営業・セールスのみで、駐在理由が弱い
- 韓国事務所の活動計画が営業活動のように記載されている
ビザ申請書に韓国での活動を営業のように書くと、連絡事務所の届出内容と矛盾が生じます。
ハイコリアに案内文はありますが、本人の経歴と本社での職位に対する適用可否は案件ごとの検討が必要です。
注意: 本社1年在職要件は、本社・系列会社合算の認定可否、同一グループ内異動の認定可否が事案によって異なり、出入国審査官の判断が分かれます。
FAQ
Q1. 連絡事務所にも事業者登録証は発行されますか?
法人格がないため、事業者登録証ではなく固有番号証が発行されます。
税金計算書を発行できない非営利・非営業の形態に分類されます。
Q2. 韓国人の従業員を採用してもよいですか?
採用そのものは可能です。
ただし、本社資金で賃金を支払い、従業員の業務も営業ではなく市場調査・連絡業務に限定する必要があります。
源泉徴収の申告義務はそのまま発生します。
Q3. 連絡事務所名義で韓国の銀行口座を開設できますか?
固有番号証の発行後、外国為替銀行で運営用のウォン建て口座を開設します。
ただし、売上の入金が入ると営業活動と疑われるため、本社送金と運営費支出を中心とした運用に限定する必要があります。
Q4. 本社が米国・中国・日本かによって手続きは変わりますか?
本社書類の認証方式(アポスティーユ vs 領事認証)、翻訳要求の水準、決議書の様式が異なります。
本社所在国によって準備期間に1〜3週間の差が出ることはよくあります。
Q5. 連絡事務所を後から法人や支店に変更できますか?
可能です。
連絡事務所の閉鎖届出を行ったうえで、外国人投資法人の設立または外国企業支店の届出として新たに進めます。
閉鎖と新規設立が同時並行で動くため、転換時点でオフィス・従業員・口座の整理が一度に発生します。
Q6. 連絡事務所で取得できるビザはD-7だけですか?
代表者・駐在員はD-7が一般的です。
ただし、本社での職責、韓国国内での役割、本社規模によってはD-8など他の在留資格の検討が必要なケースもあり、事案ごとに分かれます。
専門家への相談が必要ですか?
連絡事務所は届出一回で終わるものではなく、設立 → ビザ → 運営 → 事後報告まで一本の線でつながる構造です。
本社決議書の文言、送金名目、賃貸借名義、ビザ活動計画書が互いに食い違うと、どこか一箇所で必ず詰まります。
ビジョン行政士事務所は、外国本社の書類レビュー、外国為替銀行への届出、税務署の固有番号証、駐在員ビザ(D-7)まで一連の流れで対応します。
費用は案件ごとに異なるため、無料相談の際に正確にご案内します。
ビジョン行政士事務所 サービスのご案内
- 電話: 02-363-2251
- メール: 5000meter@gmail.com
- カカオトーク: alexkorea
- 住所: (04614) ソウル特別市中区退渓路324、3階(ソンウビル)
- 事務所名: ビジョン行政士事務所 (VISION Administrative Office)
本社の所在国、従業員採用の計画、今後の法人転換のスケジュールによって、進め方の順序は変わります。本社書類をお送りいただければ、どこで詰まりそうかを先に指摘いたします。
専門家への相談が必要ですか?
複雑な手続き、一人で悩まないでください。専門行政士が丁寧にご案内いたします。




