外国人投資M&A買収合併届出手続き、実務で最初に確認すべきこと
外国人投資M&A買収合併の届出は、取引ストラクチャーを決める前に、まず届出機関と時期を確定することから始まります。 対象は、外国人または外国法人が国内企業の既存株式を取得したり、合併・営業譲渡の方式で経営権を確保しようとする場合です。 株式取得比率や取引形態、業種制限、独占禁止法上の企業結合届出まで、実務でつまずきやすいポイントを順に整理してご紹介します。
外国人投資M&A届出の法的根拠と範囲
外国人M&A届出は「外国人投資促進法」を基本軸としており、取引規模に応じて「独占禁止法」上の企業結合届出も併せて発生します。
外投法上のM&A型外国人投資の定義
外国人投資促進法施行令第2条によれば、外国人が国内法人の発行した既存株式を取得する場合は、新株引受とは異なる手続きが適用されます。 このとき取得比率が議決権付き株式総数の10%以上であるか、10%未満であっても役員派遣などの経営参加要件を満たせば、外国人投資として認められます。 まさにこの部分で、単純なポートフォリオ投資とM&A型投資が分かれます。
実務で最初に確認すべき2点
最初に確認すべきは、買収対象会社の業種が外国人投資制限業種に該当するか否かです。 2つ目に、買収後の外国人持株比率がどのように構成されるかを確認する必要があります。 この2点が整理されないと、届出書そのものを受け付けてもらえません。
注意: 防衛産業、通信、航空運送など一部の業種は外国人投資制限がかけられており、買収自体が阻まれることがあります。正確な制限業種該当の有無は産業通商資源部告示および所管機関への確認が必要です。
買収方式別の届出手続きの違い
同じM&Aでも、株式譲受、合併、営業譲渡、資産譲渡のいずれの方式かによって、届出の流れがまったく異なります。
既存株式譲受方式
最も一般的な形態です。 外国人が韓国人株主または他の外国人株主から株式を譲り受ける構造です。 この場合、取得日前または取得後60日以内に外国為替銀行またはKOTRAへ外国人投資の届出を行う必要があります。 実務では、取引クロージング前にあらかじめ届出を済ませておく方が、資金送金段階で詰まらずに済みます。
合併・営業譲渡方式
既存の韓国法人同士の合併に外国人が合併当事会社の株主として参加している場合、合併後に新株を割当てられる形で外国人持分が形成される構造です。 営業譲渡の場合は資産・負債一式が移転されるため、事業許認可の承継可否を先に確認しなければなりません。 通常はこの段階で許認可の承継ができないことを後になって知り、取引全体がもつれてしまうケースが多々あります。
届出方式比較表
| 区分 | 株式譲受 | 合併 | 営業譲渡 |
|---|---|---|---|
| 根拠 | 外投法施行令第2条 | 外投法施行令第2条 | 外投法施行令第2条 |
| 届出時期 | 取得前または後60日以内 | 合併登記の前後 | 譲渡契約締結の前後 |
| 届出機関 | 外国為替銀行 / KOTRA | 外国為替銀行 / KOTRA | 外国為替銀行 / KOTRA |
| 主な論点 | 持分比率、資金の出所 | 許認可承継 | 資産・負債の範囲 |
外国人投資届出の段階別実務フロー
届出は一度で済むものではなく、段階ごとに分かれます。 この流れを誤って理解すると、資金送金が止まったり登記まで詰まったりします。
第1段階 外国人投資届出
取引ストラクチャーが確定したら、外国為替銀行またはKOTRAへ外国人投資届出書を提出します。 届出書には投資家情報、被投資企業情報、投資金額、取得株式数、資金調達方法を記載します。 届出の受理は通常迅速に処理されますが、制限業種に該当する場合や迂回投資の疑いがある場合は補正要請が伴います。
第2段階 投資資金の送金と譲渡代金の支払い
届出が受理されると、その届出済証を根拠に海外から資金を送金するか、国内の外貨預金口座から引き出して譲渡代金を支払います。 書類が揃っていても資金の出所説明が弱いと、銀行の段階でその場で止められます。 特に送金者と届出書上の投資家が異なる場合は、追加の疎明に時間がかかります。
第3段階 株式名義書換と登記
代金支払い後、株主名簿の名義書換を済ませ、合併や営業譲渡であれば登記まで完了させます。 このとき、外国人投資企業登録の申請を同時に進めるのが一般的です。 外投企業登録証がなければ、後日の税制優遇や外国人投資企業としての地位に基づく行政手続きが受けられません。
実務のヒント: 届出 → 送金 → 名義書換 → 外投企業登録は一本の流れでつながっています。1段階が詰まるとそれ以降がすべて遅れるため、最初からスケジュールを逆算して組む必要があります。
独占禁止法上の企業結合届出が併せて発生する場合
一定規模以上のM&Aは、外投法届出だけでは終わりません。
企業結合届出の対象
「独占禁止法」第11条により、買収会社と被買収会社の総資産または売上高が一定基準を超える場合、公正取引委員会に企業結合届出を行う必要があります。 外国人が国内企業を買収する場合にも同様に適用され、外国会社同士の結合であっても国内売上高基準を満たせば届出義務が発生します。 正確な資産・売上基準は改正が頻繁にあるため、取引時点を基準とした最新の告示確認が必要です。
事前届出と事後届出
大規模会社が当事者となる場合は事前届出が原則であり、履行行為が30日間禁止されます。 それ以外は履行行為日から30日以内の事後届出が可能です。 事前・事後の区分を誤ると、過料賦課または是正措置につながります。
M&A取引時の届出義務比較
| 届出の種類 | 根拠法令 | 主管機関 | 時期 |
|---|---|---|---|
| 外国人投資届出 | 外国人投資促進法 | 外国為替銀行 / KOTRA | 取得の前後 |
| 企業結合届出 | 独占禁止法 | 公正取引委員会 | 取引規模に応じて事前・事後 |
| 外国為替取引届出 | 外国為替取引法 | 外国為替銀行 / 韓国銀行 | 取引類型別 |
| 外投企業登録 | 外国人投資促進法 | KOTRA / 外国為替銀行 | 代金支払い後 |
無料相談を通じて、お客様の取引に合った正確な届出順序をご確認ください。 電話 02-363-2251 またはカカオトーク alexkorea までお問い合わせいただければ、取引ストラクチャーの検討から届出まで一括でご案内いたします。

資金の出所と送金段階でよく詰まるポイント
書類よりも重要なのは、お金の流れを一貫して説明することです。
資金の出所説明が弱いと起こること
届出書には資金調達方法を自己資金、借入金、本社送金などに区分して記載します。 実際の送金段階で、銀行は届出書に記載された出所と実際の送金経路が一致するかを確認します。 出所説明が短かったり区間が抜けていたりすると、追加資料の提出が繰り返され、取引日程そのものが後ろにずれます。
本社送金とSPC活用時の留意点
外国本社から韓国子会社または新設SPCを通じて買収資金が流れる場合、各段階ごとに届出義務が再び発生することがあります。 特にSPC活用ストラクチャーは、外国為替取引法上の海外直接投資届出と外投法上の届出が同時に絡むケースが多くあります。 ストラクチャーごとに届出機関や保管書類が異なるため、取引設計段階で前もって整理しておく必要があります。
注意: 資金の出所が多段階につながる構造は、1段階でも欠落すると送金全体が保留される可能性があります。お客様の取引ストラクチャーに合った届出チェックリストは、相談を通じて別途確認される方が安全です。
買収後の後続手続きと外投企業地位の維持
届出が終わったからといってすべてが終わったわけではありません。
外国人投資企業登録と変更届出
代金支払い後に外国人投資企業登録を済ませると、外投企業登録証が発行されます。 その後、持分変動、役員変更、増資・減資などの事由が発生するたびに変更届出の義務が伴います。 この変更届出を漏らすと外投企業の地位が揺らぎ、後日の税制優遇適用で問題が発生する可能性があります。
許認可・税務・労務の後続チェック
業種に応じて、許認可の名義変更、事業者登録の訂正、4大社会保険事業所変更などが次々と続きます。 M&A取引でよく見落とされがちなのが、まさにこの後続行政です。 取引クロージングのみに目を奪われて後続手続きを後回しにすると、1〜2か月後に税務署や出入国管理事務所で問題が表面化します。
法令の引用は国家法令情報センターで最新の条文を確認でき、外国人投資の一般手続きはInvest KOREAで英文資料とともに提供されています。
FAQ
Q1. 外国人が韓国会社の株式をわずか5%取得した場合でも、外国人投資届出をしなければなりませんか? A. 議決権付き株式の10%未満であっても、役員派遣など経営参加要件を満たせば外国人投資とみなされます。 要件該当の有無は、契約書条項と実際の経営関与の程度を併せて検討して初めて判断できます。
Q2. 合併によって外国人持分が新たに生じた場合も届出対象ですか? A. はい。合併の結果、外国人が新株の割当を受けて外投法上の要件を満たす場合、その時点で届出義務が発生します。 合併登記と届出の時期がずれないよう、スケジュール管理がカギとなります。
Q3. 企業結合届出と外国人投資届出はどのような違いがありますか? A. 外国人投資届出は外国人としての資格で韓国企業に投資した事実を届け出るものであり、企業結合届出は競争制限の有無について審査を受ける手続きです。 根拠法令と主管機関が異なり、両方に該当する場合はそれぞれ別途で進めます。
Q4. 事前届出をしないまま取引をクロージングしたらどうなりますか? A. 外投法上の届出義務は一定期間内の事後届出も認められますが、企業結合の事前届出対象であるのに先に履行した場合は、過料または是正措置のリスクがあります。 取引規模と当事者の資産基準によって判断が分かれるため、ストラクチャー確定前の検討が必要です。
Q5. 外国本社から韓国子会社を通じて買収資金を送ってもよいですか? A. 可能ですが、子会社段階での資金の流れが外国為替取引法上、別途の届出対象になることがあります。 SPCまたは子会社経由のストラクチャーは届出義務が重複するため、送金ラインから描き直しておく必要があります。
Q6. 買収後の外投企業登録は必ず行わなければなりませんか? A. 外国人投資届出だけでも取引自体はクロージングされますが、外投企業登録を済ませてはじめて、外国人投資企業の地位に基づく税制・行政上の優遇を受けることができます。 代金支払い後、速やかに登録を済ませる方が後続手続きで詰まりません。
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外国人投資M&Aは、外国人投資届出、企業結合届出、外国為替取引届出、登記、許認可承継が一度に絡み合います。 1つの段階を誤って捉えるだけでも、資金が止まったり取引クロージングが遅れたりします。 ビジョン行政士事務所は、取引ストラクチャーの検討から届出書の作成、送金・登記・外投企業登録まで一括して進めます。
ビジョン行政士事務所 (VISION Administrative Office)
- 電話: 02-363-2251
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