D-8ビザのオフィス要件10項目 — シェアオフィスが認められない理由
D-8ビザのオフィス要件の核心は一つです。
法人が単独で使用する、区画された空間で実際に人が勤務していることが必要であり、住所だけを借りるシェアオフィスではこの要件を満たせません。
対象となるのは、外国人投資促進法に基づいて投資申告を済ませ、韓国国内で法人を設立した外国人投資家です。オフィスは投資金額・業種・人員計画とセットで判断されます。
以下では、実際の審査で確認されるオフィス要件10項目、オフィス形態ごとの認定可能性、賃貸借契約書でつまずくポイント、業種による違い、移転時の届出までを扱います。
D-8ビザのオフィス要件が厳しい理由
オフィスは「投資に実体があるか」を見る窓口です
D-8(企業投資)の在留資格は、出入国管理法施行令別表1の2の長期滞在資格のうち、企業投資(D-8)の項目に根拠があります。
ここで求められているのは、書類上の法人ではなく、実際に営業している法人です。
投資金が入金され登記が完了しても、その資金が事業として動いている形跡がなければ、在留資格の根拠は弱くなります。
オフィスは、その形跡をもっとも手早く確認できるポイントです。
まさにこの点があるため、審査官は契約書よりも先に現場を見ます。
ペーパーカンパニーの遮断が実際の目的です
住所だけを登録し、韓国国内では何の活動もしていない法人が繰り返し摘発されるなかで、事務空間の確認は年々細かくなっています。
実務では、申請書類が完璧でも、実地調査のときにドアが施錠されていれば、その一度で流れが狂います。
注意: オフィス要件は、法律の条文に面積の数値として明記されているわけではありません。管轄の出入国・外国人庁(事務所)の審査裁量が大きく働くため、ご自身の業種と地域の基準については、ハイコリアの告知確認とあわせて個別の検討が必要です。
実際の審査で見られるD-8オフィス要件10項目
まず見るべきは、空間の独立性です。
残りは、その独立性を裏づける書類と形跡です。
| 番号 | 要件 | 実務で明暗が分かれる点 |
|---|---|---|
| 1 | 壁・扉で区画された独立空間 | パーティションのみの座席は認定が困難です |
| 2 | 法人名義の賃貸借契約書 | 代表者個人名義だと補正要求が出ます |
| 3 | 滞在予定期間をカバーする契約期間 | 残存期間が短いと在留期間も短く出ます |
| 4 | 事業者登録証の所在地の一致 | 登記上の住所と違うとすぐに指摘されます |
| 5 | 法人登記簿の本店所在地の一致 | 移転後に登記を変更していない例が多いです |
| 6 | 建築物の用途が業務可能な用途 | 住居専用の空間は問題になります |
| 7 | 机・PC・インターネットなど勤務用備品 | 空っぽの空間の写真はかえって逆効果です |
| 8 | 外部から識別できる商号の表示 | 看板・表札がないと実地調査で確認できません |
| 9 | 人員計画に見合う適正な面積 | 従業員の採用計画と空間が合っている必要があります |
| 10 | 実地調査時の常駐者の確認 | 訪問時に誰もいないと再訪問・補正につながります |
1〜4番:契約と名義で差がつきます
独立空間とは、出入口の扉を開けて入ると、その法人だけが使う区域になっている形を指します。
契約名義は必ず法人でなければならず、設立前に代表者個人の名義で契約した場合は、法人設立後に名義を整理しておくほうが安全です。
契約期間の残り月数が少なければ、在留期間の付与にもそのまま反映されます。
5〜7番:住所と実物が一致している必要があります
法人登記簿の本店、事業者登録証の所在地、賃貸借契約書の住所、外国人投資企業登録証の住所が、すべて同一でなければなりません。
この4か所のうち1か所でもずれていれば補正通知が出され、その間に申請スケジュールが後ろ倒しになります。
建築物台帳上の用途が住居専用のオフィステルは、事業者登録の段階から止まってしまう場合があるため、契約前に用途を確認する必要があります。
8〜10番:実地調査で明らかになります
看板や表札は些細に見えますが、実地調査の担当者が建物内でオフィスを見つけられなければ、それ自体が記録として残ります。
従業員がおらず代表者一人だけの設立初期の法人であっても、訪問時刻に人がいて初めて確認が完了します。
実務のヒント: 実地調査は事前通知なしに来る場合があります。最近の類似事例では、代表者が外部の打ち合わせ中でドアが閉まっており、再訪問までにさらに時間がかかりました。常駐が難しい事情がある場合は、あらかじめ整理しておく方法があります。
シェアオフィスがD-8で行き詰まるポイント
住所だけを借りる形態は事実上不可です
非常駐オフィスや住所貸しサービスは、郵便物の受け取りと事業者登録用の住所提供までしか行いません。
その空間に、その法人の席は存在しません。
実地調査が入れば、同じ住所に数十の法人が登録されているという事実がすぐに明らかになります。
この構造では、「実際に営業している法人」という説明自体が成り立ちません。
固定席・オープンデスクも安全ではありません
月単位の固定座席を使う形態は、住所貸しよりはましですが、それでも区画がありません。
共用会議室を一緒に使うこと、座席が契約上特定されていないことが、契約書にそのまま表れます。
ここで差が出ます。
同じ建物内であっても、独立した号室を単独で賃借するプライベートオフィス商品は、認定可能性が別の観点から検討されます。
| オフィス形態 | 独立区画 | D-8での認定可能性 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 非常駐・住所貸し | なし | 事実上困難 | 事業者登録の段階から制限される場合があります |
| オープンデスク(自由席) | なし | 困難 | 座席が特定できません |
| 固定席(指定席) | なし | 低い | パーティションを区画とは見なしにくいです |
| シェアオフィス内の独立号室 | あり | 検討可能 | 号室番号・専用の出入口・表示が鍵になります |
| 一般賃貸オフィス | あり | もっとも安定的 | 契約期間と名義を合わせれば足ります |
| 自宅兼用 | おおむねなし | 非常に低い | 業種・用途に応じた例外的検討が必要です |
同じ「シェアオフィス」という名称であっても、契約書の文言と号室の構造によって結果は分かれます。
契約書に座席番号だけが記載されているのか、号室番号と専有面積が記載されているのかが、最初の分かれ道です。
正確な費用と手続きは専門家へのご相談でご確認ください。
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D-8の賃貸借契約書でよく問題になる点
契約書に必ず含めるべき項目
- 賃貸人・賃借人の表示(賃借人は法人名 + 法人登録番号)
- 所在地(建物名、階、号室まで)
- 専有面積
- 契約期間(開始日・終了日)
- 用途(オフィス)
- 賃貸人の署名または捺印
転貸の場合は、原賃貸人の転貸同意書もあわせて必要です。
この書類が欠けていると、契約の有効性から確認し直すことになります。
設立前に契約した場合
法人設立前は法人名義での契約ができないため、発起人個人の名義で先に契約するケースがよくあります。
設立登記後に賃貸人と名義変更の合意書を作成するか、法人名義で再契約する形で整理します。
賃貸人が協力してくれなければこの段階で行き詰まるため、契約前に「法人設立後の名義移転が可能」という条件を入れておくほうが安全です。
注意: 賃貸借に関する実務対応は、契約形態と建物の管理規約によって変わります。転貸の構造やシェアオフィスの標準約款が混ざっている場合は、契約書を直接見ないと判断が困難です。
業種によって変わるオフィスの基準
製造業・流通業はオフィスだけでは足りません
製造業なら工場または作業場、流通業なら倉庫や在庫の保管場所もあわせて確認されます。
オフィスはあるのに、生産・保管スペースについての説明がなければ、事業計画の実現可能性という点で弱くなります。
オンライン・IT業種は説明が鍵です
リモートワークの比重が高い業種であっても、韓国国内に事業所は必要です。
サーバー・開発機材、勤務する人員の所在、韓国国内での売上が発生する経路を、事業計画書のなかでつなげて説明しなければなりません。
この説明が不十分だと、「あえて韓国にオフィスを置く必要があるのか」という問いに戻ってしまいます。
許認可業種は順序が逆になります
旅行業、人材供給業、食品関連業などは、個別の法令でオフィスの面積や施設の基準が別途定められている場合があります。
このときは、出入国の基準よりも許認可の基準のほうが高くなります。
許認可の要件に合わせてオフィスを先に確保する必要があり、順序を逆にすると契約をやり直すことになります。
業種ごとの許認可基準は所管省庁が分かれるため、産業通商資源部と国家法令情報センターで根拠法令を確認したうえで、最終的な適用可否は管轄機関への確認が必要です。

オフィス関連の提出書類と準備の順序
| 区分 | 書類 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 空間 | 賃貸借契約書の写し | 法人名義、号室、面積、期間 |
| 空間 | オフィスの内外の写真 | 看板、出入口、勤務状況 |
| 法人 | 法人登記簿謄本 | 本店所在地の一致 |
| 法人 | 事業者登録証 | 所在地・業種の一致 |
| 投資 | 外国人投資企業登録証明書 | 住所の一致 |
| 投資 | 外国人投資申告書の写し | 外国人投資促進法第5条の申告根拠 |
| 事業 | 事業計画書 | オフィスの規模と人員計画のつながり |
| 付属 | 転貸同意書(該当する場合) | 原賃貸人の確認 |
準備の順序は、以下が実務上もっとも混乱が少ない流れです。
- 業種の確定および許認可要件の確認
- オフィス候補の物件探し(建築物の用途確認)
- 外国人投資申告
- 投資金の送金および口座処理
- 法人設立登記
- 賃貸借契約の法人名義への整理
- 事業者登録
- 外国人投資企業の登録
- D-8査証または在留資格変更の申請
3番と6番の順序は、資金の事情と賃貸人の協力の有無によって調整されます。
どちらが有利かは投資の構造によって分かれるため、個別の確認が必要です。
オフィスを移転するときにすべきこと
3か所を同時に整理する必要があります
オフィスを移転したら、法人登記の本店変更、事業者登録の訂正、外国人投資企業登録の変更をあわせて処理します。
さらに代表者個人の滞在地が変わった場合は、出入国管理法第36条に基づき、新しい滞在地への転入日から15日以内に滞在地変更届を提出しなければなりません。
この3つのうち1つでも欠ければ、次回の延長審査で住所の不一致として明らかになります。
延長直前の移転は危険です
在留期間の延長申請の直前にオフィスを移転すると、変更登記と登録証の再発行が終わる前に審査が始まってしまう可能性があります。
その場合、補正期間が加わることで、在留期間の満了日と重なるリスクが生じます。
移転の時期と延長申請の時期が近い状況であれば、先に順序を組み立てる必要があります。
実務のヒント: 処理期間は管轄の出入国・外国人庁(事務所)ごとに差があります。申請の地域と時期を調整して、もっとも早いルートで進められるかどうかを個別に確認いたします。
よくある質問 (FAQ)
Q1. シェアオフィスの住所ですでに事業者登録を済ませています。D-8の申請は可能ですか?
事業者登録ができたからといって、出入国の審査基準を満たしたことにはなりません。
この2つの基準は別々に運用されています。
独立号室での契約に切り替えるか、一般の賃貸オフィスへ移転したうえで住所を整理する方向で検討するほうが安全です。
Q2. シェアオフィス内にある1人用の独立号室は認められますか?
専用の出入口と号室番号があり、契約書に当該号室と専有面積が特定されていれば、検討の対象になります。
ただし管轄機関と業種によって判断が分かれるため、契約前に契約書の草案を確認しておくのが安全です。
Q3. オフィスの最低面積の基準は法律で定められていますか?
D-8のオフィス面積を数値で定めた統一的な法律の条文はありません。
人員計画や業種に比べて空間が極端に狭い場合は、事業計画の実現可能性という点で問題になります。
許認可業種は個別の法令で施設基準が別途定められている場合があり、そちらが優先して適用されます。
Q4. 自宅をオフィスとして使ってはいけないのですか?
居住スペースと分離されていない場合、認定される可能性は低いです。
業種が極めて限定的で、別途の区画が確保されている例外的なケースはありますが、実地調査の負担は大きくなります。
Q5. 実地調査は必ず来ますか?
すべての案件に来るわけではありませんが、新規設立の法人とシェアオフィス住所の案件は確認の頻度が高くなります。
訪問時にドアが施錠されていたり表示がなかったりすると、再確認の手続きにつながります。
Q6. オフィスの費用はどのくらいかかりますか?
費用はケースごとに異なるため、無料相談の際に正確にご案内いたします。
政府に納める金額は、政府告示の手数料 + 行政処理費で構成されます。
専門家への相談が必要ですか?
D-8は、オフィス一つだけで結果が決まるわけではありません。
ただし、オフィスが弱いと、投資金の説明も事業計画書も一緒に揺らぎます。
契約書の文言、号室の構造、業種の許認可基準を並べて見て、はじめて判断が出せます。
すでに契約を締結している場合は、まず契約書をお送りいただければ、認定可能性から検討いたします。
ビジョン行政士事務所のサービス案内
- 外国人投資申告および外国人投資企業の登録
- 外国人の法人設立(株式会社・有限会社)の全過程
- D-8の査証発給認定書および在留資格変更の申請
- オフィス要件の事前検討および賃貸借契約書の確認
- オフィス移転に伴う登記・登録・届出の整理
- D-8 → F-2への変更要件の検討
ビジョン行政士事務所 (VISION Administrative Office)
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審査基準と処理期間は管轄機関および時期によって変わる可能性がありますので、最新の情報はハイコリアと法務部出入国・外国人政策本部でご確認のうえ、管轄機関への確認が必要です。
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