外国法人による不動産購入の手続きと注意点 - 実務でつまずくポイント整理
外国法人が韓国の不動産を購入する際、契約書よりも申告の順序や資金の経路で結果が分かれます。
対象には、外国本社が100%出資した韓国子会社、外国人単独出資の株式会社、外国本社名義で直接購入しようとする非居住法人まで含まれます。
本記事では、契約前の申告、資金送金、登記移転、事後申告まで、実務で実際にこじれるポイントを順を追って解説します。
外国法人による不動産購入の手続きと注意点 - まず確認すべきこと
最初に確認すべきは、購入主体が誰なのかという点です。
韓国にすでに設立された外国人投資企業(FDI法人)なのか、韓国に事業所のない外国本社名義なのかによって、適用される法律が変わります。
購入主体ごとに適用法が異なります
韓国国内で設立された法人が購入する場合、「不動産取引申告等に関する法律」が基本となります。
本社名義で直接購入する場合は、「外国人土地法」の流れに従った外国人不動産取得申告が別途必要です。
実務では、この区分が曖昧なまま契約を先行させ、申告時期がずれて過料が発生するケースが頻繁に見られます。
土地の種類によって許可が必要な場合があります
軍事施設保護区域、自然環境保全区域、農地、文化財保護区域は、単純な申告ではなく事前許可の対象です。
特に農地については、外国法人が直接取得することが難しく、取得できても農地取得資格証明(農取証)の発行が認められない場合があります。
契約前に土地利用計画確認書と登記簿謄本を取得しておくのが近道です。
外国人不動産取得申告 - 申告のタイミングが重要です
ポイントはここです。
契約を締結した日から60日以内に申告を完了させる必要があり、許可対象の土地であれば契約前に事前許可を受けなければなりません。
申告対象と期限
「不動産取引申告等に関する法律」第8条により、外国人等が大韓民国内の不動産を取得する契約を締結した場合、市郡区庁に申告する義務があります。
相続・競売・買戻しなど契約以外の取得については、取得日から6カ月以内に申告します。
法令原文は国家法令情報センターで直接確認できます。
| 区分 | 申告期限 | 備考 |
|---|---|---|
| 売買契約による取得 | 契約締結日から60日以内 | 許可対象は契約前に事前許可 |
| 相続・競売による取得 | 取得日から6カ月以内 | 事後申告 |
| 継続保有(国籍変更等) | 変更日から6カ月以内 | 申告漏れ時は過料 |
注意: 契約日と申告起算日を仮契約日として処理し、本契約日とずれて期限を過ぎてしまうケースがよくあります。申告起算日は本契約基準ですが、仮契約段階で残金の一部が動いている場合は争いの余地が生じます。
申告漏れがあった場合に何が起こるか
期限を過ぎると過料が課され、許可対象の土地を許可なく契約した場合は契約自体の効力が失われる可能性があります。
実際の審査では、申告漏れよりも「許可対象だと知らなかった」という理由で止まるケースの方が多く見られます。
資金送金と外国為替申告 - 最もこじれやすい段階
実際に最も多くつまずくのは、お金の出所と送金経路です。
外国本社から韓国子会社へ資本金を送る流れなのか、外国本社が直接売買代金を送金する流れなのかによって、申告の種類が変わります。
外国人投資申告と外国為替取引申告
韓国子会社が購入主体であれば、資本金の送金は「外国人投資促進法」に基づく外国人投資申告として処理します。
本社が直接購入する場合は、資本取引の性格を持つ外国為替取引申告が必要となる可能性があります。
この区分が弱いと、韓国銀行への申告と外国為替銀行への申告が重複したり抜け落ちたりして、登記段階で資金出所の説明に時間がかかります。
| 送金の流れ | 適用される申告 | 注意点 |
|---|---|---|
| 本社 → 韓国子会社の資本金 | 外国人投資申告(外国為替銀行) | 送金名目を「投資金」として明確に |
| 本社 → 売主への直接送金 | 外国為替取引申告の検討 | 事前申告漏れ時は過料 |
| 本社 → 韓国子会社への貸付金 | 対外債務申告 | 満期・利息条件を明記 |
資金出所の説明が弱いと登記が遅れます
書類よりも重要なのは送金名目とタイミングです。
送金明細書に「loan」「investment」「advance payment」が混在していると、登記所や税務署から追加説明を求められます。
外国為替取引関連の手続きは、韓国銀行 外国為替取引および取引のある外国為替銀行で事前に確認しておくと安心です。
登記移転と税金 - 実務で押さえておくべきこと
不動産申告と資金申告が整理できたら、次は所有権移転登記です。
登記申請に必要な書類
外国法人名義の登記は、通常の韓国法人登記よりも添付書類が多くなります。
- 本国の管轄官庁発行の法人登記事項証明書(アポスティーユまたは領事確認)
- 代表者資格証明書
- 法人印鑑証明書または本国の同等の署名証明
- 不動産取引申告済証
- 外国為替申告関連の証憑
- 不動産売買契約書、登記原因証書
本国書類は発行日から3カ月以内のものでなければならず、韓国語訳と翻訳公証が付いてはじめて登記所で受理されます。
取得税と保有税の流れ
法人が不動産を取得すると、取得日から60日以内に取得税の申告・納付が必要となります。
法人が本店・支店を大都市内に設置するとともに不動産を取得する場合、重課税の適用有無が分かれ、この部分が最も見落とされやすいポイントです。
費用はケースごとに異なるため、無料相談時に正確にご案内します。
実務のヒント: 売買契約書上の売買代金と送金された外貨金額の為替レート基準日がずれると、取得税の課税標準算定で差が生じます。残金日のレートをあらかじめ決めておくのが紛争を減らすコツです。
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外国法人名義 vs 韓国子会社名義 - どう違うのか
同じ資金でも、誰の名義で購入するかによって税金、申告、その後の管理がすべて変わります。
本社直接購入の特徴
本社が直接購入すると、韓国子会社の設立費用は節約できますが、賃貸運用や売却時に非居住法人としての課税問題が浮上します。
特に賃料収入が発生すると韓国内の恒久的施設の問題が表面化し、結局あとから韓国子会社を追加で設立せざるを得なくなる場合がほとんどです。
韓国子会社名義での購入の特徴
韓国子会社が購入すれば、運用・賃貸・売却段階の会計処理がシンプルになり、韓国内での事業拡張と結びつけやすくなります。
その代わり、資本金送金、外国人投資申告、法人登記まで先行手続きが増えます。
この部分はD-8ビザや今後のF-2への切り替え計画とも絡むため、単なる不動産取引としてだけ見ると後でこじれる可能性があります。
子会社設立の全体像は、産業通商資源部の外国人投資関連の案内およびINVEST KOREAで大枠を確認できます。
購入目的別の推奨構造
| 購入目的 | 推奨名義 | 主な理由 |
|---|---|---|
| 本社社屋・研究所の自社使用 | 韓国子会社 | 事業運用と直結、税務もシンプル |
| 単なる資産保有・賃貸 | ケースごとに検討 | 賃料収入の課税構造の影響が大きい |
| 短期売却益狙い | ケースごとに検討 | 譲渡税の重課対象か確認が必要 |
事後申告と事後管理 - 購入で終わりではありません
購入後も申告は続きます。
保有中に発生する申告
法人名、本店住所、代表者、出資者の持分に変更が生じると、外国人投資企業の変更申告と不動産登記の変更が別々に進行します。
申告を後回しにすると変更時点が蓄積され、一括で整理する際に過料が大きくなります。
売却・返還時の送金
売却代金を本国へ送金する際は、取得時の申告資料と一致していなければ資金回収が止まる可能性があります。
この部分が弱いと、売却は終わったのに送金が止まる状況が発生します。
外国人の在留・ビザ変動が同時に絡んでいる場合は、ハイコリアの手続きも併せて点検する必要があります。
注意: 法令は頻繁に改正されます。最近も一部の外国人不動産取得手続きが整備されたため、ご自身のケースに合った正確な適用可否は管轄機関へのご確認が必要です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 外国本社名義で韓国のマンションを購入できますか
可能性はありますが、居住目的ではなく法人資産として保有する形になります。
購入後に賃貸に出すと非居住法人の韓国内所得問題が発生するため、単純な購入だけを見て決めると後でこじれる可能性があります。
Q2. 外国人不動産取得申告をしないとどうなりますか
「不動産取引申告等に関する法律」に基づいて過料が課されます。
許可対象の土地を許可なく契約した場合は契約自体の効力が否定される可能性があり、申告漏れよりも重く扱われます。
Q3. 本国から送られた売買代金が残金日に間に合いませんでした
送金の遅延そのものよりも、送金名目の方が問題になることが多いです。
「投資金」として送るべき資金を「送金」または「支援金」として表記し、外国為替申告の分類がずれると登記段階で資金の説明に時間がかかります。
Q4. 農地を外国法人が購入できますか
農地法上、農地取得資格証明の発行が事実上難しい状況です。
田・畑・果樹園の地目が含まれる敷地を社屋用と見て契約するケースがありますが、地目変更の可能性を先に確認しないと残金段階で止まります。
Q5. 購入後に賃貸運用するためには何が追加で必要ですか
賃料収入は韓国で課税対象となり、本社直接購入の場合は恒久的施設の問題が発生します。
この時点で韓国子会社の設立が改めて検討されるケースが一般的です。
Q6. 不動産購入とD-8ビザ申請を同時に進められますか
順序が重要です。
不動産を先に購入してビザを申請すると資金の流れの説明がこじれる可能性があるため、資本金送金と外国人投資申告を先に整理する方が安全です。
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外国法人による不動産購入は、契約、申告、送金、登記、税金が一度に絡み合います。
順序を誤ると一段階が止まるたびに残金日が後ろにずれ、すでに送金された資金が動かせなくなる状況にまで陥ります。
ビジョン行政士事務所は、外国人投資企業の設立、外国為替申告、外国人不動産取得申告、登記までを一つの流れで進行します。
ビジョン行政士事務所(VISION Administrative Office)
- 電話: 02-363-2251
- メール: 5000meter@gmail.com
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